日本版司法取引l初の適用事例はトカゲのシッポ切りだった

握手

こんにちは。

今日は「日本版司法取引l初の適用事例はトカゲのシッポ切りだった」のお話です。

2018年6月1日から「日本版司法取引」が導入されましたね。

その初めての適用事例が出ました。

実際にどんな内容だったのかを見ていきましょう。

 

[toc]

目次

概要

登場人物は以下4名です。

日本の検察官

日本の法人

海外の子会社社員

海外の公務員

①海外の公務員から、海外の子会社社員へ賄賂を要求されました。

②そこで、海外の子会社社員が賄賂の要求に応じました。

③しかし賄賂の要求に応じることは不正競争防止法の外国公務員贈賄罪に抵触します。

④そこで、日本の検察官は捜査を始めるが、海外での証拠収集が容易ではないため捜査は進みません。

⑤そんな時、日本の法人からの自主申告(情報提供)により捜査が進みます。

⑥日本法人からの協力の見返りとして、日本法人は検察官から立件を見送られます。

上記④から⑥が司法取引に該当します。

 

図解と成立条件

図で表すとこうなります。

司法取引実例

つまり、捜査が難航している案件に情報提供を行い、情報提供の結果として捜査が進み、見返りに情報提供者は処分を軽くすることです。

捜査が簡単に進むような案件では、司法取引はお互いの利益とはなりませんので、成立しません。

今回の案件のように、海外での証拠収集が困難で、情報提供によって有力な情報が得られ、捜査が進むような場合に司法取引は成立します。

 

問題点

海外の子会社の社員の贈賄罪ですが、賄賂の金額は数千万円となります。

はたして一社員が、そのような金額を勝手に動かす事が出来るのでしょうか。

また、この社員を検察に差し出す形で、親会社は見返りに立件の見送りとなります。

まるで、被害が親会社に及ばないように、末端の社員を切ったような形にも見えます。

本当に司法取引が必要だったのかは、現段階では分かりませんが、会社の為に働く人達は、今回の事例を見て何を思うのでしょうか。

贈賄を指示した子会社の元役員と幹部は在宅起訴、実際に贈賄の実行役の社員は刑事責任は免責となりました。

 

まとめ

今回は日本での初の司法取引の事例を取り上げました。

今後も、実績件数を稼ぐ為に司法取引が適用されるケースが増えて行くでしょう。

しかし、司法取引には嘘をついて他人を無実の罪におとしいれると懲役5年以下の罰則があるので、運用には慎重な姿勢が求められます。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次